三日月の絆

十三話

十三話

司影には何が起こったのかよくわからない。自分の手を、体を、足を、と次々視線を移して異常がないことを確認すると、きょろきょろと辺りを見渡し始める。

ただ、昇だけは状況を把握しているようで、

「……ああ、くそダリイ」

安堵したように髪を掻きあげながらその場に座り込み、気だるげな息を一つついた。

数分後。

「……つまり、御祓いをしてたんだろう、お前」

「似たようなもんだが、正確にはちょっと違う」

昇は燭台の火を消し、暗幕を取り払う。

電灯のスイッチを入れると、室内が先程の暗黒から、光溢れる別世界に変貌する。

「よくわかんねえよ」

司影は難しそうな顔をすると腕を組んで椅子に腰を下ろす。

「だって、お前はコックリさんやって呼び出された亡霊の後始末やってたんだろ?」

ああメンドくせえと呟きながら、昇は燭台や暗幕を巨大なリュックサックの中に乱雑に詰め込んでいく。

「ああもう! コックリさんの説明からしなきゃいけねえのか……お前も手伝えよ!」

しかし昇の叫びを司影は見事に無視。真剣に悩み始めた司影を見て手伝わせるのはもう無理だと悟った昇は、床に白のチョークで描かれた魔法陣を雑巾で乱雑に拭きながら、気が進まなさそうに説明する。

「普通にコックリさんやる分には問題ないんだけど、問題が起こっちまう時があるんだな、稀に」