三日月の絆

十四話

十四話

「どんな時に?」

「本人が『やる気』になっちまっている時」

この説明も司影は何一つ飲み込めないようだ。額にしわをつくり渋面を昇に向ける。ようやく品物をリュックに詰め終えた昇は、椅子を引っ張り出して司影の向かい側に座った。

「簡単に言うと、全員が『俺は絶対出来る!』って思ってこっくりさんやりゃ、自分が知らない事でもわかっちまうんだ」

「どうして?」

「……どうしてって」

司影の疑問に昇は言葉を詰まらせてしまう。

「……まあわからなくてもしゃあねえか。まず、魔術から説明してやんねえとな、ちゃんと聞けよ。魔術において重要なのは精神集中、これが魔力の源。それと、現界に影響を及ぼすのに必要な、魔術方程式」

「方程式?」

 意外な言葉に司影の言葉が上擦る。

「数学だって目的が異なれば違う方法を用いるだろう。簡単なものでも、足し算、引き算、掛け算、割り算の四種類って具合に。

こっくりさんは力の弱い奴でも使えるようにと、複数人の精神集中を用いる事で様々な簡易予報、知識貸与を自身の底―まあ遺伝子かな―から引っ張り出してくるのを可能にした魔術さ。今回はその方程式を間違って扱っちまった奴がいて、力が本人達の意思とは無関係に『残留』しちまったんだよ。

それが、お前が騒ぐ『亡霊』の正体」