三日月の絆

断章2

断章2

「!」

 司影はガバリと音もなく布団から跳ね起きた。

 辺りを見渡す。眼の前には目覚し時計。簡素な勉強机が自分を見下ろしており、待機電源の入ったテレビの赤い明かりが眼に入る。友人からは『女っ気がない』と揶揄される部屋がそこにはあった。暗い部屋にはカーテンで隔絶出来なかった外部の明かりが僅かに差し込まれている。

「……夢、か」

 布団に入ったまま額の汗を服の袖で拭い、現実を噛み締めるように確認する。

「……夢、だったんだよな」

 そうしないと、訳のわからない不安に押し潰されそうだったから。