二十三話
二十三話
「そこでどうして笑うんすか、字さんは?」
「そんな事もわからないんですか君は? 面倒臭がらずにもう少し思考して御覧なさい。脳は使ってはじめて発達する器官です。そんな事では若年性アルツハイマーにかかってしまいます。君はそれでも良いんですか? 友人知人に多大な迷惑をかけてしまっても良いんですか? 私は良くないと思いますねその理由は」
「考えますから、少し黙って下さいよ」
字久はやれやれと首を振ると、昇の要求にこう答えた。
「はっきり言って、無理、です。私を沈黙させる努力はメビウスの輪の裏側だけを歩くのに等しい行為です。ああ今の表現は中々に誌的で美しいものですね。しかも中々簡潔だ。うん、そうは思いませんか昇君?」
一つ頷いて昇を見つめる字久。
呆れる後輩は、機関銃のように喋りまくる先輩に、一言。
「……こんなんだからメンドくせえ事になるんだよ、字さんと司影は」
極めて気だるげな声が静寂にもれた