六話
六話
そう言うのを、盗み聞きと言うのではなかろうか。
「女性に対するレクチャーも活動内容の一つに組み込みましょうか。これではひどすぎます。でも予算がおりますかね? 少々不安ですが生徒会には掛け合うだけ掛け合って」
「字さんが女性口説き落としたいだけでしょ」
止まりそうにもない字さん―高遠字久―の口上を遮る昇の皮肉に、額をコンコンと忙しなく一指し指で叩く彼は『そうです』と臆面もなく答える。
「面倒臭がってばかりでは女性は近寄ってきませんよ、昇君。血と、汗と、涙の結晶、つまり努力というものがあってはじめて」
「そんな台詞ばっか言うから、司影に嫌われるんすよ」
だが字久は怯む様子もなく、なお口を開く。
「人には好みというものがありますし、何より司影君は司影君で意中の方がいるようですので、まあいわゆる」
「そうなんすか?」
要点だけを聞いていた昇は、感じた疑問を率直に尋ねる。そんな昇に、字久は半眼でじっと見つめ、